ジョンジョン・フローレンスの2年連続ワールドタイトルでしめくくった2017年。
当然3年連続が予想される中でスタートした2018年シーズン初戦がこのクイックシルバー・プロ@ゴールドコースト。
イベント前の記者会見にはジョンジョン、そしてクイックシルバーのライダーであり、国籍を日本にうつしたカノア・イガラシが出席した。
ケリー・スレーターは2017年のJベイで骨折した足が完治せずに欠場。
Tabrigade Filmがこのイベントに通うのは14年目になるが、ケリーが欠場しただけでなんともメンツ不足の印象があった。
メディアのあいだでは『まー復活しても優勝やらワールドタイトルは難しいよね』と言われているが、それでも早く復活してほしいというのがほとんどの意見だ。
kelly slater@Trestles
ジョンジョン、ガブリエル・メディナ、ジョディ・スミスのタイトル争いが予想される3人は早々に敗退、波がいいヒートもあったが3人とも波数の少ないヒートにあたり敗退してしまった。
それでもサーフィン自体は他のサーファーよりもワンランク上なのは誰の目にも明らかだった。
John John Florence
あまりとりあげられなかったが、個人的に印象に残ったヒートはラウンド3のイタロー・フェレイラvsフィリッペ・トレドのマッチアップ。
今年はヘッドジャッジも変わり、全ての点が去年よりも1.5~2.0ポイント低い。
去年は結構点がでていたフィリッペのカーヴィングにはあまり点をつけていなかった。
それでもこのマッチアップに勝利したのはフィリッペだったが、イタローのサーフィンは去年よりもキレていて、リスキーなトリックはあまりやらない。
撮る側からすれば、つまらないが一昨年のマット・ウィルキンソンがそうだったように成績はよくなるだろう。
実はこのイタロー、Tabrigade Filmもそうだが、Tracksマガジンのチーフエディター、Surfing Worldのフォトグラファーなどなど自分でもサーフィンをしているメディアには人気がある。
ありがちな言い方だが、予測しずらいパンチのあるサーフィンの上に、狂ったエアーも持っているんだから当然といえば当然。
Italo Ferreira
ジョシュ・カー、ビード・ダービッジが引退し、入れ替わりで今年は多くのルーキーが入ってきた。
とはいえ数人を除いてはタレント不足で地味だなーといった印象。
今年一番の注目株ルーキーはグリフィン・コラピント。
期待通りここではセミファイナルまで進み、10ポイントまでだして、アメリカ人が弱い現在の現状で嬉しいニュースだ。
ブラジルとオーストラリアだけじゃね、もう飽きたって思ってる人は多いでしょうから。
もう一つ、ミックの引退まで残り2戦というのは最も話題になっている。
会場もミックが現れただけで歓声が凄かった。
Jベイで大会中、しかもファイナルでシャークアタックに遭遇してからミックの人生は大きく変わった。
テレビでも大きく取り上げられて、その後ハワイの最終戦中に兄が他界してしまったことで、いわゆる悲劇のヒーロー的扱いになった。
3xワールドタイトルの悲劇のストーリーはメディアの報道熱を煽るのには十分すぎるできごとなのは想像に容易い。
引退はおしまれるが、ミックももう37歳、コンテストの集中力等はトップクラスだが全盛期よりはキレもおちてるのは明らか。
パーコ等とビール工場を買収し、クリエイチャーの筆頭株主となり、不動産ビジネス、ソフトボードビジネスなどなど、商売的には順調なのだから、タイミング的には最高なんじゃないだろうか。
Mick Fanning
最終日は新たなスゥエルがはいり、会場はキラへと移動。
大会がキラ進行中の最終日、スナッパーでは敗退組がスーパーセッションをくりひろげていて、パーコのスーパーバレルがSNSで大きくとりあげられたがジェットスキーを使用していたようなので、賛否あるがキラへの移動は正解だったんでしょう。
グリフィン・コラピントの10ポイントもあったしね。
結果は誰よりも強運だったジュリアン・ウィルソンの優勝。
肩の怪我が完治していない中での優勝だが、サーフィン的には本当に強運のおかげでの優勝って印象しかない。
ミシェール・ボレーズ、ジョンジョン・フローレンス、ガブリエル・メディナ、イタロー・フェレイラ、このあたりが印象に残るサーフィンをしていたので、今年注目してほしい。